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by y-ob

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 一昨年から昨年にかけて、自分がもっとも影響を受けた世代の写真家・石元泰博氏、東松照明氏、映画監督・大島渚氏が次々と他界された。「僕は今やサイボーグだから」と言って長崎の町を闊歩していた東松氏は不死身かと思えるような気もした。他界されたとはいえ、いずれの方々もその作品は今も精彩を放っていると思います。

 東京都写真美術館で開催中のコレクション展「スピリチュアルワールド」では、石元氏の「伊勢神宮」、東松氏の「太陽の鉛筆」がそれぞれ展示されていて、内藤正敏氏の東北のシリーズや奈良原一高氏の「王国」、三好耕三氏の「湯船」にも感動した。

 そして同時開催中、佐藤時啓氏の展示「光-呼吸」に圧倒された。印画紙上の光の彫刻から始まった氏の写真が順次発展変化していくことがわかるように展示されている。圧巻は最後の部分、移動できる底のないテント暗室の闇の中へレンズと鏡によって導かれた外の風景の像。それをテント内の地面に投影して撮影する、という複雑なプロセスを経ながらも、言葉が不要な一枚の写真として強い魅力をたたえたシリーズである。その中の一枚、雪上に映る富士山のカットには痺れてしまった。
 最後、出口には入口に展示されたブロッコリーの作品と対をなす、マヨネーズの瓶の作品でしめくくられている展示構成がすばらしく、一回限りではもったいない展覧会だと思った。昨年からの自分が見たなかでは、グルスキー展、クーデルカ展、須田一政展いらいの、感動する展示でした。

開催中: 7月13日まで 東京都写真美術館
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by y-ob | 2014-07-05 14:42