「二月」~①陸別の雪

 北海道、池田町から北見市へ向かう途中には小さな町が点在しています。そのひとつ、陸別は日本一寒い町として知られています。鉄道駅(07年に鉄道は廃止)はオーロラハウスというホテルになっていて予想外に訪れる人で混んでいました。町はずれの山頂に銀河の森天文台があり巨大な反射望遠鏡で昼間も星を見ることができます。昼の空を肉眼で見ても何も見えない、そして望遠鏡をのぞくと土星の環がはっきり見え、不思議な感覚。
 その夜、食事する店をさがして歩いている時に音もなくチラチラと雪が落ちてきました。街灯の光を受けて、結晶ひとつひとつが回転しながら。袖に落ちた雪はすべて完全な結晶状態で、ダウンジャケットに細かい雪の模様がついたように見えました。電光の温度計はマイナス15度、無風なのでそれほど寒さは感じず、結晶はそのまま服の上で光っている。平地で完全な結晶が見えるのは限られた場所だと思います。
 翌朝はマイナス30度、この年の国内最低気温で、外に出ると無風でもかなり寒く感じました。20年前ならば、マイナス30度はよくあることだったのではないでしょうか。僕の知っている範囲で北海道の最低気温はマイナス43度。このような時、雪はそのまま重なり、風が吹くと地吹雪となって舞い上がります。積もっている雪を凝視すると、全てが結晶のまま重なりあっているのがわかります。
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写真集「二月」所収、雪の写真
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by y-ob | 2007-12-29 13:47